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虚の鍼灸治療
虚に対する鍼灸の治療法を説明しています。
虚とは何か?
AMICADは、虚と冷えを別個の概念として分類しています。
基礎実験の結果から、 真皮間質液の質は年間を通してほとんど変化しないことが推測できます。
季節に関わりなく、体内環境(間質液)の質は一定に保たれる、という意味だと考えられます。
しかし、この水分の質が特徴的に変化してしまう場合がみられます。
電解質が過剰であれば、老廃物の蓄積や、栄養の過剰など、実傾向が考えられます。
これに対して、電解質の不足は、必須な電解質が不足していると捉え、虚(成分の虚)と考えています。
また、電解質の不足(質的不足)は、間質液自体の不足(量的不足=冷え)とは異なると考えています。
虚のパターン(1)
なぜ電解質の不足が起こるのか?
その理由の一つに、間質液自体の不足が挙げられます。
右図のように、電解質の不足(虚実2)が、間質液自体の不足(虚実3)と同時に起こるパターンが頻繁に見られます。
このため、間質液の不足>電解質の供給不足>電解質の濃度低下、という図式が容易に想像できます。
このような場合は、鍼灸の中でも温灸によって末梢の血行を改善し、間質液の不足を解消すれば、電解質の供給も改善されて、冷えと虚を同時に改善できると予想できます。
虚のパターン(2)
しかし、電解質の不足が単独で起こっている場合もみられます。
右図の左右の肺経のように、電解質の不足(虚実2)は起こっているものの、間質液自体の不足(虚実3)は起こっていない場合があります。
面白いのは、こうしたデータの患者さんについて、ベテランの鍼灸師の先生方が、異口同音に「治しづらい」と経験則を話されていることです。
また、こうした症例に対して、細い鍼での切肌程度の鍼と、温灸の組合せが効果的だというお話も、複数の鍼灸の先生から伺ったことがあります。
想像ですが、切肌程度の弱い鍼は、末梢の水分代謝を、量的にではなく、質的に変化させる作用があるのかも知れません。
虚の鍼灸治療
間質液の成分(虚実2)が不足(虚)している場合、間質液自体(虚実3)の不足(冷え)が同時に起こっているかによって、治療方法が異なると考えられます。
間質液自体(虚実3)が不足(虚)している場合は、温熱刺激(末梢の血行を促すだけで、発汗は促さない刺激)で治療効果を期待できると思いますが、電解質(虚実2)だけが不足(虚)している場合は、切皮程度の浅刺が必要なようです。
もう少し詳しくいうと、電解質(虚実2)だけが不足(虚)している場合は、浅刺だけでも治療効果を得られるでしょうが、温灸を一緒に施すことで、末梢の水分代謝を促進し、間質液の量と質のリセットをかける働きを得られるようです。
ただし、全身の虚実によって、温熱刺激の量を調整したほうが良いでしょう。
刺激量が過剰になった場合は、患者さんを疲れさせてしまう可能性があります。
鍼灸による治療は、刺激量としては微小です。
しかし、鍼灸の刺激によって、特定部位の代謝停滞が改善されると、体全体に影響を与えるようです。
鍼灸で最初から大きな変化を与えると、その後の全身の変化が急激で、灸当たりなどの副作用を起こすようです。
鍼灸では、刺激の質や量を重視しますが、特に虚への鍼灸治療では、刺激量に注意が必要です。
経絡の虚実 測定と判定 鍼灸・漢方・東洋医学の「証判定」
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