虚している経絡

虚とは何か?

皮膚の測定から、虚という状態は(少なくとも)二つに分けられます。一つは、真皮の水分が減ってしまうこと、もう一つは、真皮の水分のイオンが不足していることです。

変化する水分は?

生体内の水分のうち、細胞の内側の水分(細胞内液)と血管内の水分(血漿)は、厳密な管理を受け、変化が少ないことが知られています。これに対して、細胞の外側で、かつ、血管の外側の水分=間質液は、変化しやすいことが知られています。
このため、経絡の虚実は、細胞の外側で、かつ、血管の外側の水分=間質液で起こると考えられます。

血行とは違う間質液

皮膚を冷水に浸すと、7〜9分後には抹消の皮膚血管が拡張する寒冷誘発血管拡張反応が起こります。
逆に、39℃以上のお湯に浸すと、皮膚血管が収縮する温熱誘発血管収縮反応が起こります。
この性質を利用して、45℃以上のお湯や、氷水に指を浸して実験しました。
指を冷やすと、血管が拡張しているはずなのに、水分量は減ってしまいます。
逆に、お湯で温めると、血管が収縮しているはずなのに、水分量が増えています。
こうした実験からも、インパルスで測定した結果が、細胞の外側で、かつ、血管の外側の水分=間質液によって変化すると考えられるのです(日本東方医学会で発表しました)。

虚=代謝が滞る

実際に、測定結果を診察に活用すると、虚は間質液の水分やイオンの不足と大いに関わります。
例えば、測定から脾経・胃経の井穴で虚がみられると、消化不良など脾虚の症状がみられます。
こうした間質液の問題は、抹消の血行が悪くなることと密接に関わっています。
治療としても、温灸などで抹消の血行を促進し、間質液の供給を改善すると、症状も改善します。
営気(脈中を流れる気)と衛気(脈外を霧のように満たす気)を調和する、というのは、血管内の血漿と、血管外の間質液の流通を良くする、という意味だと考えられるでしょう。
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