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冷えの鍼灸治療
冷えに対する鍼灸の治療法を説明しています。
冷えとは何か?
AMICADは、健常者グループを年間を通して測定したデータをもとに、虚実の推測をしています。
基礎実験の結果から、真皮間質液の量は年間を通して変化し続けることが推測されました。
具体的には、低温の冬には少なくなり、高温で発汗の多い夏には多くなることが推測されました。
(これに対して、真皮間質液の質は年間を通してほとんど変化しませんでした。)
この結果から、特定の経絡に沿って真皮の間質液が不足している場合、その経絡に冷えがあると推測しています。
特定の箇所(経絡)だけが、冬場と同様に冷え込み、皮膚からの水分代謝(発汗や熱放散)をしていない、という解釈ができるからです。
このことは、明治鍼灸大学・東洋医学基礎教室の実験(寒スコアとの比較)からも確かめられています。
冷えのパターン(1)
経験上、体質との関わりが最も強いと考えられるのが、この冷えの情報です。
右図の虚実3(寒熱)の欄で、脾経と肺経が、左右とも虚(寒=冷え)となっています。
代謝のインフラともいえる間質液が不足しているので、特定の経絡(とそれに関わる臓腑)で代謝が停滞=機能低下を起こしていると考えられます。
このような場合、鍼灸の中でも温灸で治療効果を得られるようです。
また、虚実3(寒熱)で虚傾向がみられる場合、虚実2(虚実=成分の虚実)でも虚傾向がみられる場合が多いようです。
冷えのパターン(2)
ただし、右図のように、突発的に強い冷えを示す場合もみられます。
右のデータでは、右の胆経で虚実3(寒熱)に強い反応が現れています。
診察した際には、右の胆兪(胆経の背部の経穴)に、1円玉程度の円形の皮膚の引きつれがみられました。
大変顕著な反応で、、手術痕かと思うほど局所的に皮膚が痩せ、凹んでいました。
上腹部の不快感で来院された方でしたが、一度の鍼灸治療=反応の出ていた胆兪への温灸で快癒しました。
面白いことに、その次に診察したときには、右胆兪の反応(皮膚の異常)は無くなっていました。
冷えの鍼灸治療
鍼灸は冷えの治療を得意としています。
鍼灸の中でも、「熱い」ではなく「温かい」と感じる程度の温灸が良いようです。
血行を促進して水分の不足を補っても、発汗は促進せず水分を失わせないような、ほかほかとした温熱刺激が適しているようです。鍼灸以外では、遠赤外線ランプによる温熱刺激も良いと思います。
しかし、糸状灸や透熱灸のように、熱いと感じて発汗が促されるような、強い刺激は適さないようです。
特に糸状灸は、発汗を促すものの、血行を促すほど組織を温めないので、むしろ逆効果だと考えられます。
また、こうした箇所には鍼がするすると入っていくように思いますが、良い結果を得られないようです。
鍼で治療をするとしても、細い鍼で切皮程度にしておかないと、患者さんを疲れさせてしまうことが多いようです。
このことからも、鍼灸の使い分けは必要だと感じています。
治療穴としては、背部兪穴や胸腹部募穴、また、経絡上の経穴で、冷えの自覚がある経穴を用いると良いようです。
鍼灸は、熱いとか痛いといった、不快なイメージを持たれがちです。
しかし、冷えている箇所を適切に捉えた温灸は心地よいため、鍼灸全体のイメージアップにつながる場合が多いと感じています。
経絡の虚実 測定と判定 鍼灸・漢方・東洋医学の「証判定」
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